2011年08月01日
カラーチェンジャーで刀身の色を銀にでもしておく
それにしてもこの馬車は速いな、普通の馬車は時速15キロも出たら上等だと思うけど、この馬車は優に30キロは出てそうだ。
その所為でいくら踏み固めてある道でも揺れる揺れる、これじゃたしかに商人にとっては余り使いたくない移動手段なんだろうな、荷物が崩れてしまうし。
車輪は乗せて貰う時に確認したけど、どうやら金属製だ。
ショックを吸収する素材や仕掛けも無いみたいだし、こういった生活に密着してる物の技術はそれほど進んでないのかもしれない。
ギルドの話しを聞いてからは暫く、他愛も無い会話をしながら景色を眺めていたが、流れる景色は緑一色、遠くに見える山や森林以外は本当に平原しかなく、目には優しいし空気もおいしいが、さすがに飽きてきてしまった。
途中フレイルラットを何匹か見かけたが、やはりこの速度にはついてこれないのか一瞬反応し追いかけようとはするが、追いつけないと判断して大人しく戻って行く。
あ、そういえば!
「ヨザークさん、平原を渡っていた時に何度かフレイルラットに襲われたんですよ、一応撃退はしたんですが、こんなの残していったんですけど何か役に立ちますかね?」
と入手したフレイルラットの尻尾の束を皮袋から取り出して見せた。
「ん? なんだ? ってオイ! こりゃフレイルラットの尻尾じゃねぇか! それもこんな根元から切られてるだと!? 一体どうしたんだこれ……お前さんがやったのか!?」
うわ、凄い剣幕だ、何かやってしまったか!?
「す、すみません……突然襲われたのでとりあえず厄介な尻尾を切り落としてから倒そうと思って……」
「これをお前さんが……いいか、フレイルラットの尻尾ってのはとても弾力性強くてちょっとやちょっとじゃ刃が押し返されて、そうそう狙って切り落とせるものじゃないんだよ」
なるほど、たしかに切ったときに堅いゴムのような感触がした。
「先に倒しちまってから死体が消える前に尻尾を切り落とすって手もあるが、そうすると尾の先の球についてるトゲがフニャフニャになるし尻尾そのものも硬くなって価値が下がってしまうんだよ」
ふむふむ、これは結構良質なのだろうか? これ売ったら馬車の代金くらい稼げるかな?
「これは戦闘中に先に切り落としましたから、トゲも鋭いままですし弾力も失われてませんよ? ほら、こんなにしなりますし(ビヨンビヨンビヨンと振ってみる)」
「うわっと、危ないだろ! しかしお前さん……尻尾は根元に近い程弾力が強くて、でっけぇ戦斧や大剣じゃなきゃそう簡単に切り落とせないんだぞ? よくそんなほっそい剣で切り落とせたな、もしかして名のある名剣か何かなのか?」
どうやら俺のこの刀はここでも通用するみたいだ、それに話しから察するに刀みたいに切断に特化した武器が余り無いのだろうか?
斧も大剣も叩き切るのがメインだし、それじゃあこういう材質の物は切り難いだろうに。
「いえ、たしかに丁寧に作られた物ですが、名剣なんてものじゃないですよ、ただ少し刃の作りと切り方が特殊なんですよ、ホラ」
そう言って刀を鞘から出して見せる。
「ほぅ……こりゃたまげた……俺は武器は専門じゃないが、それでもこんな剣は見た事がねぇ。シャムシールって剣もこの剣に似て反っちゃいるが、こんな綺麗な刃はみたことがないぞ、それに何で出来てるんだこりゃ? こんな黒光りする金属なんてクロムタイトくらいしか知らんぞ」
ありゃ、ちょっと迂闊だったかな。
カラーチェンジャーで刀身の色を銀にでもしておくべきだったかも、まぁそのクロムタイトだって言い張っておけばいいかな?
「ええ、たしかそんな名前の鉄で作られていますよ、俺の姉さんが鍛冶職人だったんで作ってもらったんです」
とりあえず話しを合わせておかないと……ちなみに姉が作ったというのは本当の事だ。
「おいおい! やっぱり名剣じゃねぇか! 剣1本とはいえクロムタイトなんて……はぁ、通りで尻尾の根元も切れちまうってわけだ……」
その所為でいくら踏み固めてある道でも揺れる揺れる、これじゃたしかに商人にとっては余り使いたくない移動手段なんだろうな、荷物が崩れてしまうし。
車輪は乗せて貰う時に確認したけど、どうやら金属製だ。
ショックを吸収する素材や仕掛けも無いみたいだし、こういった生活に密着してる物の技術はそれほど進んでないのかもしれない。
ギルドの話しを聞いてからは暫く、他愛も無い会話をしながら景色を眺めていたが、流れる景色は緑一色、遠くに見える山や森林以外は本当に平原しかなく、目には優しいし空気もおいしいが、さすがに飽きてきてしまった。
途中フレイルラットを何匹か見かけたが、やはりこの速度にはついてこれないのか一瞬反応し追いかけようとはするが、追いつけないと判断して大人しく戻って行く。
あ、そういえば!
「ヨザークさん、平原を渡っていた時に何度かフレイルラットに襲われたんですよ、一応撃退はしたんですが、こんなの残していったんですけど何か役に立ちますかね?」
と入手したフレイルラットの尻尾の束を皮袋から取り出して見せた。
「ん? なんだ? ってオイ! こりゃフレイルラットの尻尾じゃねぇか! それもこんな根元から切られてるだと!? 一体どうしたんだこれ……お前さんがやったのか!?」
うわ、凄い剣幕だ、何かやってしまったか!?
「す、すみません……突然襲われたのでとりあえず厄介な尻尾を切り落としてから倒そうと思って……」
「これをお前さんが……いいか、フレイルラットの尻尾ってのはとても弾力性強くてちょっとやちょっとじゃ刃が押し返されて、そうそう狙って切り落とせるものじゃないんだよ」
なるほど、たしかに切ったときに堅いゴムのような感触がした。
「先に倒しちまってから死体が消える前に尻尾を切り落とすって手もあるが、そうすると尾の先の球についてるトゲがフニャフニャになるし尻尾そのものも硬くなって価値が下がってしまうんだよ」
ふむふむ、これは結構良質なのだろうか? これ売ったら馬車の代金くらい稼げるかな?
「これは戦闘中に先に切り落としましたから、トゲも鋭いままですし弾力も失われてませんよ? ほら、こんなにしなりますし(ビヨンビヨンビヨンと振ってみる)」
「うわっと、危ないだろ! しかしお前さん……尻尾は根元に近い程弾力が強くて、でっけぇ戦斧や大剣じゃなきゃそう簡単に切り落とせないんだぞ? よくそんなほっそい剣で切り落とせたな、もしかして名のある名剣か何かなのか?」
どうやら俺のこの刀はここでも通用するみたいだ、それに話しから察するに刀みたいに切断に特化した武器が余り無いのだろうか?
斧も大剣も叩き切るのがメインだし、それじゃあこういう材質の物は切り難いだろうに。
「いえ、たしかに丁寧に作られた物ですが、名剣なんてものじゃないですよ、ただ少し刃の作りと切り方が特殊なんですよ、ホラ」
そう言って刀を鞘から出して見せる。
「ほぅ……こりゃたまげた……俺は武器は専門じゃないが、それでもこんな剣は見た事がねぇ。シャムシールって剣もこの剣に似て反っちゃいるが、こんな綺麗な刃はみたことがないぞ、それに何で出来てるんだこりゃ? こんな黒光りする金属なんてクロムタイトくらいしか知らんぞ」
ありゃ、ちょっと迂闊だったかな。
カラーチェンジャーで刀身の色を銀にでもしておくべきだったかも、まぁそのクロムタイトだって言い張っておけばいいかな?
「ええ、たしかそんな名前の鉄で作られていますよ、俺の姉さんが鍛冶職人だったんで作ってもらったんです」
とりあえず話しを合わせておかないと……ちなみに姉が作ったというのは本当の事だ。
「おいおい! やっぱり名剣じゃねぇか! 剣1本とはいえクロムタイトなんて……はぁ、通りで尻尾の根元も切れちまうってわけだ……」